醸し人九平次 蔵見学に行って来ました! 名古屋の飲食様対象で募集した見学会です。
午後の見学開始。蔵の中に進んでいくと・・まず米処理の場所が。午前に米洗いの作業をされていたとのことで道具がありました。「このザルで手洗い」ですと九平治さん。5/19に甑倒し予定のとのことでラストスパート。
蔵内へ「ウチの蔵に来たならこの話を聞いてください」と久野九平治蔵元による九平次日本酒スクールスタート。
お酒の味わいは何で決まると思いますか? 麹?米?水?酵母
正解は「麹と米」です。
われわれ蔵元が今まで酵母や日本酒度のスペックを強調しすぎて大事なことが見逃されている。
ブドウはギュと搾ると果汁にブドウ糖があって酵母を加えるとすぐにアルコール発酵が始まるが・・
日本酒の場合「お米」を見ただけではそのイメージが出来ない。
米をすり潰すとデンプン。それだけではアルコール発酵できない。それをブドウ糖に変えるには米麹で糖化することが必要。
それで我々の作業の一番はその「米麹」を造ること 酒造りは吟醸造りで30日間。その最終地点のゴールを目指した酒造りのドライブ。途中で止まらないよう、そこにたどり着けるようなガソリン(ブドウ糖)を造る。
どの蔵も米麹造りが違う。、それがガソリン(ブドウ糖)の違いになり→結果として味わいがそれぞれ違うのです。
これが麹菌
これが酵母
それにブドウは品種ごとに見た目も違っていて解りやすいがお米も同じようにいろいろな種類がある
左からコシヒカリ、赤米、リゾット米、タイ米、山田錦玄米、山田錦精白米
それぞれ全然違う。
ワインの勉強をするといろいろなブドウの産地から勉強する。
日本の酒米にも産地がある。代表的な酒米「五百万石」「山田錦」を例にとると・・
「五百万石」 の最大の産地は新潟、4月に田植えで8月には稲刈り、甘みが少な目で「淡麗辛口」に向く
「山田錦」 最大な産地は兵庫 6月に田植えで11月に稲刈り 芳醇な甘みの酒に向く。
ブドウと同じように品種での味の差がある。
↓
ですので・・ワインのメニューがブドウ別になっているように日本酒のメニューも「品種別」に書いた方が解りやすいのでは・・。
日本酒の解っている30代、40代は自分でセレクトできるが、初心者は「銘柄名」ならセレクトできないよ~
そこで解りやすい切り口の分類でイロイロ飲む、それが大切では!
それでそれぞれのお酒に「この料理が合う!」ってお店の全くの独善で書いていただくともっとお料理と一緒に日本酒が広がっていく。
日本酒が広がっていけば醸し人九平次も広がっていく、そんな気持ちでこの話を語っています。
(と20代の参加者に熱く視線を投げかける九平次さんでした・・(素敵~)
九平次スクール終了
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今年で九平次に入り10年目の中川さんに代わり蔵見学へ
この講義が行われている場所は元々は仕込み蔵で大きなタンクがあって経済酒が仕込まれてました。今はタンクが抜かれて米置き場になっています。
ここには泊りもあるのでスタッフの憩い場もあり、シャワーも二つあります。 この書棚にはいろいろな本があります。外国の本とか(九平次らしいなフムフム)
釜場へ、うちはこの木製の甑でお米を蒸しています。蒸籠(せいろ)のような感じでお米を蒸します。
何故木製かというと、必要なじゃない水気を木を吸い取ってくれます。また鉄の甑では固く塊りほぐさなければいけないのですが木製ではそうではありません。
また鉄製では蒸しムラもありますがこの木製甑では薄く全体に盛れ蒸気が均等に行き渡るのでそれもありません。
蒸した時にあがる蒸気の処理には気を使っています。このような断熱剤をはることで蒸気の水分が下に落ちないようになっています。排気口も毎年くらい工夫をこらしています。
タンクが以前より増設されていた。
温度コントロールが肝です。少し積み替えで隙間を造ったりシビアにコントロールしています。
出来あがった麹を乾燥させています。 屋根はビニールで覆って不純物が落ちないようにしています。
我々がどんな仕事をしているかというとほとんどが「温度コントロール」ですね。
下に降りて搾り機へ。
以前は袋に詰めて上から圧力を加える「槽(ふね)」で搾っていましたが今はもっといい機械がありますのでこの「薮田(やぶた)」になりました。
ポンプで送り込んで圧力をかけて搾ります。 ポンポは優しく遅れる特別製のものです。圧力も優しくかけて量を追うのでなく、質を追うように搾っています。
搾り機は冷蔵庫に入っています。なんで入っているかというと「ガス感」を維持したいからです!
火入れでもシュワッと少しガス感があるかと思います。これはこの設備のお蔭なんです。
では仕込みタンクのほうへ行きましょう!
これを見るのが解りやすいです!
最初の仕込み「添(そえ)」
二回目の仕込み「仲(なか)」
三回目(三段目) 「留(とめ)」 仕込んだばかりでまだ米粒がハッキリわかりますね。
なんで三回に分けるかというと一遍に仕込むと発酵ムラが出来るからです。
こちらは仕込んで20日くらいのタンクです。 温度を低くしてもう発酵を抑えています。
そして搾ったお酒はこちらのタンクで生のまま熟成します。その間に滓引きをします。 下に二つのコックがあると思います、上澄みを抜いた後、下のコックから滓を取り出して破棄します。
ここから九平治さんも再度加わって、瓶火入れの工程を説明していただいた。(その写真を撮り忘れました)
そして試飲へ、お酒は山田錦と雄町の二種。酒器も二種、口の厚い「ぐい呑み」 ガラスが薄いワイングラス。
味がはっかり解る口の薄いワイングラスで飲むのが九平次は最高! 特にこのように中広がって口が窄めたグラスが香りとミネラル感もより出て!素晴らしい「九平次」体験でした!
中川さんも参加の飲食店オーナーさんも「雄町」が好き~という意見だったけど••
自分は「山田錦」だった。山田が彩る「奥行き」もしくは「立体感」それが好きだな~♪
九平治さんの日本酒論バージョンアップしていたし、スタッフの皆さんが醸し出すパッションも感じられて相変わらず「醸し人九平次」素敵でしたよ~!
酒泉洞堀一
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