新政 「蔵見学」。 速醸を撤廃!業界で噂の斬新な「モト場」へ、酒母はこんなに小さい(驚)


昼食後、秋田市内に移動

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新政酒造は秋田の古くからの飲食街「川反」の外れにある。 その飲食街にはこの看板がド~ンと。

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「佐藤祐輔」蔵元に対応していただく。

一見して「お疲れ」な様子。

聞くと今年は無理して酒造りの課題を積み込み過ぎたとのこと。

1.オール純米酒蔵になること

2.速醸の使用をやめること

3.酵素剤などの発酵助剤の使用を止めること

4.15度以下の原酒に全てすること。

それに昨年の高温の影響で酒米の問題があり、1月ころは何をしているのかわからないような状況だったとか。

仕込の最初は安全策で甘味を出して、途中で酸を上げ過ぎ、原酒度数も14.2度までいったとか!

後半は修正し、酸も少し落し、原酒も14.8度近辺まで上げ、何とかまとまってきた。

今年は製造での課題はやり切り、来年は原料米や熟成に取り組んでいく新しいフェーズ(局面)に入っていきたいとのこと。

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「給水処理の終わったお米が明日の仕込を待つ」

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「麹米は全て50%精白。発酵助剤を止めたため、麹米を多めに造って緊急時にも使用できる状態にしているとのこと」

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「この甑はちょっと今の規模には大きくて水を多く使うけど、たくさん蒸気がでるので良い蒸米に仕上がるとのこと」

蔵はこの時期でも残り仕込10本を残す状態。まだまだ活気のある様子。

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業界で噂の「モト場」へ、酒母はこんなに小さい(驚)

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祐輔蔵元と比べるとその小ささが解ります。

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速醸をやめるというのは市販の醸造用乳酸の添加を止めるということ、

速醸は文字通り、水と麹と蒸米に市販の醸造用乳酸を加え、酵母を添加するだけど素早く「酒母」が造れる。

新政は自分で乳酸菌を培養して「酒母」を作る。

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(ここで祐輔さんより補足 

「乳酸菌は生物で、市販の醸造用乳酸は酸味料で単なる液体!それぐらいの違いがある」

おなじように、酵母と醸造用アルコールも 酵母はアルコール出すアルコール菌(生き物)
醸造用アルコールは単なる液体」とか!!)

(話に戻って) それで乳酸菌を増やしていくのだけど、(山廃酒母)

増えていくと通常の山廃だと、水に含むミネラルが亜硝酸反応を起こして乳酸菌が死んで安全な培地が出来るのだけど、

新政は軟水でミネラルが無いので亜硝酸反応が起こらず「モト」が腐ってしまう。

「硝酸カリウム」という物質を食われば済む話だけど・・添加物をやめたナチュラル志向の新政ではそれは利用出来ない。

そこで考えたのが「モト」のタンク自体を65度に設定したお湯を沸かした甑(こしき)につけて乳酸菌を殺してしまうこと。そして安全な培地が出来上がり、六号酵母を添加していく。

これで失敗が無く、悪い菌の活動も抑えれる酒母が完成するという。

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あのクリーンな新政の味わいと酸感はこうして生まれる。まさにコロンブスの卵! すばらしい柔軟な発想、そして素晴らしい成果!

(みなさん理解されましたか~??)

ちなみに現在は酵母投入前の酒母の乳酸を次の「モト」に分けることで「モト造り」のスタート出来てしまうらしい!!

で、この写真

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つまりこの小ささは大人二人で運べて甑に入れれる大きさということ。

さすがに小さな仕込の新政でも少しパワーが足りなくて、添桶を別に造り、発酵を促進するという。

(ここでも祐輔さんの補足。 

「酒母は本当はあそこまで小さいと、もろみになった後の管理が難しいので、われわれも大きくしたいのですが・・・」

「他の蔵にオススメ出来る物ではないです。」

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麹室はさすがにこの時期は雑菌汚染にかかりやすく、蔵人以外は入室禁止。 入室時は厳重に殺菌をするとのこと。

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サーマルタンク(冷蔵タンク)が25本はあるかという仕込蔵へ、サーマル以外は3本ぐらいしかない。この時期ではサーマルでの仕込は必修とのこと。

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香りを嗅ぐ祐輔さん。質問したところ、香りだけでもある程度その「醪(もろみ)」の状況が解るらしい。

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タンクは今年初めて収穫されたという「秋田産雄町」の赤やまユ!

と思って仕込んでいるが、どうも期待の酒質にはならないようで、赤やまユはお蔵入りの可能性が高いとか!!残念。

「やまユ」と名乗る酒の基準はとてつもなく高い!だって今年は「桃やまユ(改良信交)」と「緑やまユ(美郷錦)」は今だに未発売のとこからも解るでしょう!!

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そしてこちらは

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茜孔雀のタンク、これは火入れ用でしかも、新たな試み!”熟成用”に使うものとのこと。

5年目を迎えた!水の代わりに前もって作った純米酒で仕込む「貴醸酒」。

今年のお酒の素晴らしさ!味幅があって飲みやすい、もう完成度抜群!

熟成という次の段階に!この酒は入っていきますよ♪

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ウチのスタッフ尾崎と私もここぞとばかりに「祐輔さん」に質問しまくり、新政ワールド勉強したよ!

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夜は一白水成 「渡邊康衛蔵元」も加わり、私の大好きな新政のスーパー含み香と美山錦の存在感が堪能できる「青やまユ」や他秋田の酒をいろいろと、

そして店を移動して頒布会用の「菩提もと」「山廃もと」(当店扱い不可)なども飲んで話を聞いたよ!

素晴らしい秋田の夜だったね~祐輔さん。康衛さんありがとう

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