長野駅より少し走らせると千曲川があり、そこを渡った須坂市より山をグングン20分ほど登ると高山村、そこはシャルドネの栽培が有名なエリアであり、ワイナリーも老舗的に「信州たかやまワイナリー」が存在、また最近数件のワイナリーが新規で立ち上がっている。
そこからさらに20分ほど山を登り、これ以上は志賀高原や群馬県万座高原へ向かう山道となった。 そこは国道と山林しかなく、数分不安になりながら車を走らせ、ナビの指定通り車を右折させると急に山林が開け一枚斜面の広い葡萄畑が目に入る。この高原もしくは山の上といった感じ場所・福井原に自社畑とワイナリーを持つのがドメーヌ長谷・Hikaru farm 。
2回目の訪問ですが、オーナーの長谷さんに温かく迎え入れていただき、熱の入った説明をしていただきました。
6haの土地を持ち、この場所にワイナリーと葡萄畑を持ち、野菜畑や蕎麦畑、ブルーベリー畑も持つ、約50品種の葡萄を現在栽培し、それを畑ごとにバランスを見て混醸する。その畑は他の慣行栽培の畑に比べると、葡萄の蔓は上に伸び切る野趣溢れるものです。
また、その栽培には化学薬品は一切使わず、葡萄を厳しい環境におくことで葡萄の自力を引き出す栽培を行っています、またその醸造も野生酵母に頼り、酸化防止剤も最小限に留める自然栽培・醸造ワイナリー
ドメーヌ100% の「Pino fan」は希少で数が少ないものの、福井原地区の買い葡萄のシャルドネとドメーヌ収穫葡萄のワインとのブレンドワイン「Hikaru farm Fukuhara 」はある程度の数が発売される。
発売時に試飲したそのロゼ・タイプを、1年寝かせた状態で再度前日に飲む機会があり・・・ライトに感じたボディがミディアム以上に口の中膨らみ、その素晴らしい熟成の変化にとても驚かされてしまいました。 その感想を直接、オーナーの長谷さんにぶつけたところ、「割り合い的には少ないドメーヌの葡萄が1年で瓶内で勢いを増して、その膨らみを出してきている。」という返答で・・ドメーヌの葡萄持つポテンシャルを改めて実感するものでした。
訪問したのは9月中旬、次週から少しづつ収穫は始まるというタイミングでした、気候や葡萄の生育についても話を伺う。
ここ数年で以前より変わったのは気候変動で雨が非常に増えたとのこと、そのために「遅腐れ」という葡萄の病気がまん延、雨に弱い品種は厳しくなってきているんだという。そこで雨に強い品種、雨除けせずに、遅くまで引っ張れる品種、11月に収穫する品種はここに合うことが解ってきた、リースリング、マスカットベリーA、小公子などがそれで、今後数をふやしていく。
しかしこのワイナリーが中心を描くのはピノ系品種でありドメーヌとして発売される「Pino fan」はピノノーワール、ピノブラン、ピノグリ、そしてブルゴーニュの昔の葡萄畑をイメージして、シャルドネをブレンドして作られる。そして今年2,022年は遂に待望のピノノワール単独キュベを醸すだけの収穫が期待出来そうとの事。
温暖である、ある程度の雨量、寒暖差ど少なくても高くても自然栽培で育たない繊細なピノノワール。今年は早めに葡萄保護の工夫して、今まで多大な被害を受けた獣害を最小限に食い止めれたのだという。
長谷さん自身も飲んでみたいと切望する、ドメーヌ長谷のピノノワール単独キュベ、ここからの大雨や台風が無いように、無事に収穫が迎えれるように祈るような眼差しが印象的で、
私達もそれを祈りながら綺麗な夕陽に包まれた畑を後にしました。
コメント