近年、日本酒は風味や香りなどのバリエーションがとても豊富になり、誰にでも気軽に楽しめるようになりました。発泡性のお酒やアレンジ方法も増えたため、日本酒初心者でもチャレンジしやすくなっています。
ですが、「日本酒=アルコール度数が高い」というイメージがあり、なかなか試せないという人もいるのではないでしょうか。
今回の記事では、「日本酒とアルコール度数」をテーマに解説します。
日本酒のアルコール度数に関する基本情報や、他のお酒との比較、製法などについて説明します。
また、お酒をあまり飲まない人でもほどよく楽しめるような、おすすめの飲み方についても紹介します。ぜひ参考にして下さいね。
【1】日本酒のアルコール度数 まずはイロハを押さえよう
日本酒のアルコール度数について、まずは様々なイロハを押さえておきましょう。
〈1〉日本酒のアルコール度数はどのくらい?
現在国内で販売されている日本酒のアルコール度数は、平均15%程度です。
「日本酒(清酒)」に分類されるためには、アルコール度数の上限は22%までと酒税法で決められています。それを超えてしまうと、たとえ日本酒と同じ製法で造られていても「雑酒」や「リキュール」などに分類されます。
以前は日本酒のほとんどがアルコール度数15〜22%だったため、アルコールが苦手な人にはなかなか飲めませんでした。ですが、最近は低アルコールの日本酒が数多く誕生し、様々な客層から人気を得ています。
すでに5%前後までアルコールを抑えた日本酒もあるので、あまりお酒を飲まない人はそのあたりから試すのもおすすめです。
酒泉洞堀一のYouTubeでは「日本酒好き必見の低アル酒TOP5」を動画で解説しておりますので、併せて是非ご覧ください!
一合や一升 日本酒に使われている単位は「尺貫法」
現在、日本酒を量る単位として使われているのは「尺貫法(しゃっかんほう)」です。「一合」や「一升瓶」など、日常生活でもよく耳にする言葉はここから来ています。
尺貫法は、古代中国で生まれ、その後日本に伝わった単位だと言われています。
701年の「大宝律令」により「升」と「斗」が制定されましたが、mlに換算したときの量は今とは異なっていました。
現在のml換算量は、明治時代の「度量衡法」によって定義づけられました。
「一升=約1.8リットル(約1.8039リットル)」を基準にして、単位ごとに10分の1ずつ大きくなったり、小さくなったりします。
その後、1951年からは「計量法」に切り替わるようになり、尺貫法を商取引で使うことはなくなりました。ですが、今でもまだ日本酒や米といった伝統的な食文化の中では、尺貫法の名残りを見ることができます。
【1】日本酒の単位 その量を酒器やmlで解説!
日本酒の単位は、全部で5種類あります。ここでは、mlに換算したときの容量やサイズ、カロリーや糖質などについて解説します。
ちなみに、合や升などの単位は、日本酒と米でその容量が異なります。本記事では「日本酒」の場合のみを紹介します。
日本酒の単位〈1〉一勺(いっしゃく)
日本酒の「一勺(いっしゃく)」は、約18mlです。日常生活であまり聞かない言葉ですが、日本酒関連ではおちょこや徳利といった様々なところに使われています。
例えば、テイスティングによく用いられる約36mlのおちょこの量を表すときは、「二勺」という言い方をします。
日本酒の単位で最も小さく、「十勺=一合」です。
日本酒の単位〈2〉一合(いちごう)
日本酒の「一合(いちごう)」は、約180mlです。よく日本酒を6センチほどの四角形の升に注いでいる写真がありますが、あのサイズがちょうど一合です。
また、「一合徳利」でもお馴染みなので、日本人なら最もイメージしやすい大きさではないでしょうか。
市販品でも、カップ酒や飲みきりの小瓶などでよく見かけるサイズです。
日本酒の単位〈3〉一升(いっしょう)
日本酒の「一升(いっしょう)」は、約1,800ml(約1.8L)です。「一升瓶」や「一升餅」といった日本の食文化で今でも使われているので、すぐに思い浮かぶ人も多いでしょう。
一升という単位は、一合と同じくらい頻繁に使います。そのため、「一升=十合」と覚えておくと簡単に計算でき、おすすめです。
日本酒の単位〈4〉一斗(いっと)
日本酒の「一斗(いっと)」は、約18Lです。一升瓶10本分を指します。
ここまで大きな単位は、一般家庭で使われることはほとんどありません。主に、酒造メーカーと居酒屋・販売店などの間で用いられています。
日本酒の単位〈5〉一石(いっこく)
日本酒の「一石(いっこく)」は、約180Lです。一升瓶100本分を指します。主に、酒造メーカーや蔵元が生産量を表す際に用いる単位です。
【2】日本酒の一合 アルコール度数やカロリーは?
日本酒に関する記事では、「一合」という単位がとてもよく使われます。ぜひ、日本酒一合のアルコール度数やカロリーといった基本情報について押さえておきましょう。
日本酒の一合〈1〉アルコール度数と純アルコール量
ここでは、日本酒一合のアルコール度数と、そこに含まれる純アルコール量のグラム(g)について解説します。
日本酒のアルコール度数は、平均15%前後です。そのため、15%の日本酒を一合(180ml)飲んだ場合に摂取する純アルコール量は、下記の通りです。
【計算式】
180×0.15×0.8=21.6
酒量(ml) ×アルコール 度数×アルコール比重 = 純アルコール量(g)
よって、日本酒一合当たりの純アルコール量は、約21.6gです。
最近では、あらかじめ純アルコール量がラベルに表記されているので、自分で計算しなくてもわかるようになっています。
純アルコール量を記載することで、消費者にしっかり知ってもらい、飲みすぎを防止するためです。2021年3月の「アルコール健康障害推進基本計画(第2期)」で策定されました。
ところで、日本酒一合に含まれる「純アルコール量約21g」は、一日の目安として適量なのでしょうか。
厚生労働省による「基準飲酒量」では、日本酒の一日当たりの適度な純アルコール量を「22g」と定めています。そのため、一合はちょうどぴったりの量と言えるでしょう。
参考:飲酒量の単位(厚生労働省)
日本酒の一合〈2〉カロリー
日本酒のカロリーは、100ml当たり約103kcal、一合だと約165kcalです。日本酒の種類によって、少しずつですが異なります。
【100ml当たりのカロリー】
純米酒:102kcal
純米吟醸酒:102kcal
吟醸酒:103kcal
本醸造酒:106kcal
普通酒:107kcal
「日本酒はカロリーが高め」という情報は、誰でも一度は聞いたことがあるのではないでしょうか。主な原料が米なので、そのように誤解されやすいのです。
ですが、実は日本酒とそれ以外のお酒には、あまりカロリーに差がありません。
お酒の種類を問わず、太る原因になりやすいのは「食事」です。空腹のときにお酒を飲み始めるのはやめ、ある程度お腹を満たしてからにしましょう。
また、高カロリーで脂っこいおつまみではなく、冷奴や枝豆、食物繊維の多いものなどがおすすめです。
日本酒の一合〈3〉糖質
日本酒一合に含まれる糖質は、約6.5~9gです。純米酒や本醸造酒といった種類ごとに、わずかですが異なります。
ビールと比べると、確かに日本酒のほうが100ml当たりの糖質は高めです。ですが、「よく飲まれる量」で計算してみると、一概にそうとは言えません。
【お酒の種類(よく飲まれる量):糖質】
日本酒(180ml):約6.5~9g
ビール(350ml):10.9g
そのため、一日一合であれば特に不安に思うことはないでしょう。日本酒よりも食事やおつまみに含まれる糖質のほうがずっと多いので、注意が必要です。
まとめ:日本酒の一合は食事のおともにおすすめ
日本酒の一合は約180mlで、純アルコール量が約21gです。そのため、国が定める一日当たりの適量にちょうどよく、夕食のおともにおすすめのサイズです。
一合は自宅用の飲みきりサイズとして人気があるので、どこでも手軽に購入できることがメリットです。
興味のある風味が見つかったら、ぜひ一合で味見してみて下さい。
お酒と食事の組み合わせは、セットにするとどちらもさらに堪能できますが、飲みすぎや食べすぎも起こりやすくなります。
合間には和らぎ水を飲んだり、低カロリーのおつまみを選んだりといった、防ぐための工夫も取り入れましょう。
また、酔いが早くまわりやすい熱燗も、飲みすぎを防いでくれます。
純アルコール量の一日当たりの適量は、あくまでも目安です。アルコールの適量は個人差が非常に大きいので、必ず自分に合った量を楽しむようにしましょう。
酒泉洞堀一ではInstagramにて日本酒の情報を毎日発信しております!あなた好みのお酒をぜひ見つけてみてくださいね!
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