日本酒は全部で8種類もある?分類のポイントやその特徴などを解説!

いざ自分で日本酒を選ぼうとしても、様々な名称の種類が出てきてしまい、とまどったことのある人は多いのではないでしょうか。「純米酒」や「純米吟醸酒」といった似た名前もかなり多く、イメージが湧きませんよね。

今回の記事では、「日本酒8種類の特徴」をテーマに解説します。

日本酒は、大きく分けて3種類のグループがあります。まずはそれらを紹介し、さらにそこから枝分かれした8種類の特徴について触れてゆきます。

また、日本酒は原料がとてもシンプルですので、一度覚えてしまえば忘れにくいでしょう。ぜひ参考にしてみて下さいね。

目次

【1】日本酒の種類を決める3つの大きなポイントとは?

日本酒には様々な種類があります。分類するための大きなポイントになるのが、「原料」「精米歩合」「醸造アルコール」の3つです。

原料

日本酒の原料は、米、米麹、水、醸造アルコールと、とてもシンプルです。種類によってこの組み合わせが異なります。

米、米麹、水のみで作られる日本酒は、「純米酒」のグループに分類されます。そこに醸造アルコールを加えたものが、「本醸造酒」「吟醸酒」のグループです。

各グループの特徴については、次の段落で詳しく解説します。

日本酒の原料として使われる米は、酒造好適米(しゅぞうこうてきまい)、または酒米(さかまい)と呼ばれています。酒造りに使いやすいように品種改良されており、現在120品種以上が登録されています。

大粒で砕けにくい、タンパク質・脂質が少ないなど、食用米とは異なる特徴があります。

酒泉洞堀一のYouTubeでは「酒米ごとの味の違い」を動画で解説しておりますので、併せて是非ご覧ください!

精米歩合

精米歩合(せいまいぶあい)とは、玄米の外側をどの程度磨いて削ったのかを示した言葉です。残った割合を表記しています。

例えば、「精米歩合60%」の場合、玄米の外側を40%削り、残った60%で造ったお酒ということになります。

米の表層部分には、タンパク質や脂質、デンプンといった、日本酒の雑味の原因になりやすいものが多く含まれています。そのため、日本酒造りの際には削ることが一般的です。

醸造アルコール

醸造アルコールは、本醸造酒と吟醸酒の2グループを造る際に加えられる、純度の高いアルコールです。

原料には主にサトウキビが使われていますが、味はほとんどありません。醸造アルコールを加えることで風味がクリアになり、軽快なキレが生まれます。

本醸造酒・吟醸酒のグループは、どちらも添加できる醸造アルコールの量が「原料の米の重量10%以下」と決められていることが特徴です。

【2】日本酒の特定名称酒 グループ3種類を紹介

清酒には、大きく分けて「特定名称酒」と「普通酒(一般酒)」の2種類があります。

特定名称酒は、品質の高い清酒に与えられる名称です。名乗るためには、国税庁の定める「清酒の製法品質表示基準」を満たす必要があります。

それ以外の清酒は、普通酒に分類されます。

特定名称酒は、さらに「純米酒」「本醸造酒」「吟醸酒」の3つのグループに分かれます。ここでは各グループの特徴について紹介します。

(1)純米酒

純米酒は、米、米麹、水を原料とする日本酒です。他の2グループとは異なり、醸造アルコールを使用していないことが特徴です。

ほとんど米だけで造られているため、その旨味や甘み、コクやまろやかさなどをしっかり味わえるお酒が多いことが魅力です。

(2)本醸造酒

本醸造酒は、米、米麹、水、醸造アルコールを原料とする日本酒です。精米歩合は70%以下と規定されています。

味のバランスを整えるために醸造アルコールを加えますが、その量は原料に用いる白米の重量の10%以下と定められています。

本醸造酒は、辛口ですっきりとした、爽やかでキレのよい風味が特徴です。

(3)吟醸酒

吟醸酒は、米、米麹、水、醸造アルコールを原料とする日本酒です。精米歩合は60%以下と規定されています。

低温で長期間発酵させる「吟醸造り」という製法によって生まれる、フルーティーで華やかな吟醸香や、すっきりとした味わいが特徴です。

【3】日本酒は全部で8種類!それぞれの特徴や風味とは?

「純米酒」「本醸造酒」「吟醸酒」の特定名称酒は、さらに合計8種類に分類されます。ここでは、それぞれの特徴や風味などについて紹介します。

純米酒グループ(1)純米酒

純米酒は、米と米麹、水のみを原料にした日本酒です。

以前は「精米歩合70%以下」という定義がありましたが、2004年(平成16年)に廃止されました。現在は、米と米麹のみで造られた清酒であれば、純米酒を名乗れるようになりました。

そのため、純米酒は他の種類に比べて精米歩合がとても幅広く、そこから生まれる様々なお酒を楽しめることが魅力の一つです。

純米酒でおすすめな日本酒「播州一献 純米超辛

純米酒グループ(2)純米吟醸酒

純米吟醸酒は、米、米麹、水のみを原料にした日本酒です。精米歩合は60%以下です。

吟醸造りで造られていますが、他の種類とは異なり、原料に醸造アルコールが使われていません。そのため、フルーティーな吟醸香と米の風味をどちらもバランスよく味わえることが大きな魅力です。

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純米酒グループ(3)大吟醸酒

大吟醸酒は、米、米麹、水のみを原料にした日本酒です。精米歩合は50%以下です。

半分以上磨いた米を使っているため、他の種類よりもさらに雑味が抑えられ、キレのあるきれいな旨味が特徴です。

また、同じ吟醸造りである吟醸酒や純米吟醸酒よりも厳しい温度管理が必要なので、本格的な日本酒を飲みたいときに、特におすすめです。

純米大吟醸でおすすめな日本酒「楯野川 純米大吟醸 清流

純米酒グループ(4)特別純米酒

特別純米酒は、他の純米酒のグループとは少し異なります。原料が米、米麹、水の純米酒であることに加えて、下記のいずれかを満たせば特別純米酒を名乗れます。

(1)精米歩合60%以下。

(2)「特別な醸造方法」で造られている。

例えば、精米歩合60%以下ではなくても、(2)のように「特別な醸造方法」で造られていれば特別純米酒と表示できます。特別な醸造方法には定義がないので、どのようなこだわりを込めるのかは各酒造メーカーや蔵元の自由です。

ですが、具体的にどこが特別なのかについて表記する義務はあります。

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吟醸酒グループ(5)吟醸酒

吟醸酒は、米、米麹、水、醸造アルコールを原料にした日本酒です。精米歩合は60%以下です。

吟醸造りのフレッシュで華やかな香りと、すっきりと淡麗な風味が魅力です。

大吟醸吟醸酒でおすすめな日本酒「越乃寒梅 特撰 吟醸酒

吟醸酒グループ(6)大吟醸酒

大吟醸酒は、米、米麹、水、醸造アルコールを原料にした日本酒です。精米歩合は50%以下です。

製法は吟醸酒と同じですが、さらに磨き上げた米を原料にしているため、よりいっそうクリアで雑味のない味わいが魅力です。

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本醸造酒グループ(7)本醸造酒

本醸造酒は、米、米麹、水、醸造アルコールを原料にした日本酒です。精米歩合は70%以下です。

辛口でキレのよい風味のものが多いため、食中酒としても人気があります。

本醸造でおすすめな日本酒「楽器正宗(がっきまさむね)中取り 本醸造

本醸造酒グループ(8)特別本醸造酒

特別本醸造酒は、特別純米酒と似た定義の日本酒です。

原料が米、米麹、水、醸造アルコールの本醸造酒であることに加えて、「精米歩合60%以下」か、もしくは「特別な醸造方法で造られている」かのどちらかを満たす必要があります。

特別本醸造酒も「特別な醸造方法」の定義がないため、何を特別とするかは各酒造メーカーや蔵元に任されています。

特別本醸造でおすすめな日本酒「八海山 特別本醸造

まとめ:日本酒の種類を試すには180mlサイズもおすすめ!

日本酒は、原料や製法などによって全部で8種類に分類されています。すべて知っていればより楽しめるかもしれませんが、とても一度には覚えきれないものですよね。
そこで、まずは「純米酒」「本醸造酒」「吟醸酒」の3グループの中から、自分の好みに合いそうなものを選んでみてはいかがでしょうか。

米の旨味やコク、まろやかさ…純米酒グループ
辛口ですっきりとした淡麗な風味…本醸造酒グループ
どちらかというと香り重視…吟醸酒グループ

それ以外にも、「メーカーや蔵元がオリジナルのこだわりを込めたお酒を飲んでみたい!」という人には、特別純米酒や特別本醸造酒がおすすめです。

現在は、180mlの飲みきりサイズも数多く販売されています。量・金額ともに初めて試すのに最適なので、ぜひそれらも気軽に取り入れながら日本酒を楽しんで下さいね。

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