「これから日本酒を飲み始めたい」と思っても、なんとなく敷居が高いように感じられ、とまどってしまう人もいるのではないでしょうか。さらに、「熱燗」や「冷や」といった温度の多さもわかりづらくなるポイントですよね。
確かに日本酒には全部で10種類の「温度」があります。ですが、どれが正解なわけでも、どれが「通」なわけでもありません。
今回の記事では、そんな日本酒の「温度」について解説します。気楽な気持ちで日本酒を試してもらえるように、温度の程度、香りや風味、おすすめの種類などを紹介します。
少しでも好みの温度や飲み方に出会えるヒントにしていただければ幸いです。
日本酒を「温度」で楽しむ
日本酒は、少し温度が変わるだけで香りや風味にも違いが出ます。つまり、温度を変えるだけで、一本のお酒を何度でも楽しむことができるのです。
ここでは、10通りの温度やその特徴などについて紹介します。ぜひ様々な温度を試し、好みのものを見つけて下さいね。
【1】熱燗
熱燗は、45〜60℃に温めた日本酒です。温めることで、お米の旨味や甘みが強く立ち上がるようになります。
日本酒はもともと熱燗で飲まれてきたお酒なので、基本的にはどの種類もおすすめです。ですが、生酒、香りが強いもの、アルコール度数が高いものがあまり熱燗には向かないと言われています。
ちなみに、温度が78℃を超えてしまうとアルコールが蒸発し、風味が大幅に崩れてしまうので、注意が必要です。
熱燗には、「飛びきり燗」「熱燗」「上燗」の3種類がありますので、それぞれ解説していきます。
熱燗でおすすめの銘柄「神亀(しんかめ) 神亀酒造 埼玉県蓮田市」はこちら
飛びきり燗
「飛びきり燗(とびきりかん)」は、55~60℃の日本酒です。器が持てないほどの熱さです。
飛びきり燗は香りがひと際強くなり、口に入れた後にも味わいを感じることができます。また、温めることで口当たりがなめらかになり、飲みやすくなります。
熱燗は冷酒よりも酔いが早くまわるので、飲みすぎにくいメリットもあります。冬の晩酌には、特におすすめです。
熱燗
「熱燗(あつかん)」は、50℃前後の日本酒です。日本酒専門ではない居酒屋でも見かけるほどなので、温める燗酒の中では最もなじみがあるかもしれません。
湯気とともに香りがとても引き立ちます。風味もシャープなので、和食にもよく合います。
上燗
「上燗(じょうかん)」は、45℃の日本酒です。ある程度器を持てるほどの温かさで、香り、風味ともにまろやかです。燗酒の中では一番飲みやすい温度なので、最初に試してみるのもおすすめです。
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【2】ぬる燗
ぬる燗は、30~40℃の日本酒です。冷酒や冷や(常温)では感じにくいお米のふくよかな香りやまろやかな風味を楽しめます。純米酒や本醸造酒が特に人気です。
「ぬる燗」「人肌燗」「日向燗」の3種類がありますので、それぞれ解説していきます。
ぬる燗
「ぬる燗(ぬるかん)」は、40℃の日本酒です。ぬるめではありますが、口にすると少し熱く感じられます。お酒の香りが引き立ち、お米のコクや風味、旨味なども味わえます。
燗酒や冷酒に比べるとそれほど香りや味が変化しないので、これらの温度が苦手だった人にもおすすめです。
人肌燗
「人肌燗(ひとはだかん)」は、35℃の日本酒です。香りも風味も柔らかいので、和食との相性がよく、食中酒としてもおすすめです。
日向燗
「日向燗(ひなたかん)」は、30℃の日本酒です。柔らかな香りとなめらかな口当たりが特徴です。
酒泉洞堀一のYouTubeでは「ビギナー向け燗酒特集!ディープな燗酒の魅力をわかりやすく解説!燗酒師「山口さん」による燗酒講座!酒屋おすすめの日本酒」を解説しておりますので、是非併せてご覧ください!
【3】冷や(常温)
「冷や」は、20〜25℃の日本酒です。漢字で「冷」とありますが、日本酒では常温のことを指します。各銘柄がもともと持っている魅力をバランスよく味わえるので、初めて購入する際にはまず冷やを試すのもおすすめです。
【4】冷酒
冷酒は、5~15℃まで冷やした日本酒です。日本酒は冷やせば冷やすほど風味がシャープになって飲みやすくなり、独特のクセが弱まります。お米の風味があまり得意ではない人は、冷酒から試してみてはいかがでしょうか。
華やかな香り立ちを楽しめる吟醸系や、フレッシュさが魅力の生酒がおすすめです。
「涼冷え」「花冷え」「雪冷え」の3種類があります。
冷酒でおすすめの銘柄「羽根屋 (はねや) 富美菊酒造 富山県富山市」はこちら
涼冷え
「涼冷え(すずびえ)」は、15℃前後の日本酒です。冷蔵庫で冷やし切ってから取り出し、室温で数分ほど置いた状態です。華やかな香りとすっきりとした風味を味えるので、季節を問わず楽しめます。
和食との相性もよいので、食中酒としても人気です。
花冷え
「花冷え(はなびえ)」は、10℃前後の日本酒です。冷蔵庫から取り出してすぐの状態です。涼冷えよりも香りがまろやかになり、風味がシャープになります。
雪冷え
「雪冷え(ゆきびえ)」は、5℃前後の日本酒です。冷蔵庫で数時間しっかり冷やした状態です。香りや風味、のど越しがシャープになるので、夏の晩酌におすすめです。
苦手な方や初心者にもおすすめ!日本酒を楽しむ「飲み方」
「日本酒を試してみたいけど、アルコール度数が強そうで心配」という人も中にはいると思います。
ここでは、日本酒を安心して楽しむための「飲み方」について紹介します。
一口ずつゆっくり味わう
最近の日本酒は、まるで水のように軽やかな風味のものや、発泡性のものも増えてきています。ですが、アルコール度数はどれも15度前後と高めです。ビールやサワーと同じような飲み方をすると、あっという間に酔ってしまいます。
日本酒を飲む際は、飲みすぎてしまわないように「一口ずつ」味わいましょう。
日本酒は、繊細な香りや風味も魅力の一つです。ゆっくり頂くことで奥深い味わいを楽しむことができ、おすすめです。
日本酒のおともに「和らぎ水」を
日本酒を楽しむ際には、「和らぎ水(やわらぎみず)」を一緒に飲むようにしましょう。
和らぎ水とは、日本酒の合間に飲む水のことです。体内のアルコール濃度を下げ、酔いの速度をゆるやかにしてくれます。その結果、深酔いが起こりにくくなります。
また、アルコールによって脱水症状になってしまった体の水分補給にもぴったりです。口の中もリフレッシュしてくれるので、お酒や食事をより一層美味しく感じられます。
和らぎ水の量の目安は、「飲んだ日本酒と同じ量を飲む」が基本です。そのため、日本酒と和らぎ水を交互に飲む人も多いようです。
和らぎ水を頼む際は、多くの日本酒が置いてある店なら「和らぎ水」で伝わります。普通の居酒屋の場合は、「水」のほうが通じやすいでしょう。
できるだけ常温や白湯などを選んだほうが体への負担が軽減され、おすすめです。
まとめ:日本酒と温度の組み合わせは自由!
今回の記事では、日本酒の温度10種類について紹介しました。これらの温度の定義はもともと決まっていますが、どのお酒をどの温度で楽しむかといった「組み合わせ」は個人の自由です。
中には「生酒は必ず冷やして!」とこだわりを主張する人もいるかもしれません。ですが、大の日本酒ファンでも温めて飲むほうが好きな人はいます。
一方で、「あまり飲んだことがないから、アドバイスも聞きながら決めたい」という人ももちろんいると思います。その場合は、購入する際に酒造の販売員に聞いたり、日本酒を多く置いている販売店などで確認したりするのもおすすめです。
お酒と温度をぜひ自由に組み合わせて、自分にぴったりの香りや風味を楽しんで下さいね。
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