力強い麹菌を使い、総破精で短い時間での麹造りが鍵
他蔵とは違う土田酒造の造りの特徴
- 力強い麹菌
- 製麹時間が極端に短い
- 総破精
30度から42度に急激に温度を上げる
”力強い麹菌”を使用、味わいがめちゃくちゃ出る、ただ雑な味わいもなるのでそれを防ぐために”製麹時間を極端に短くする” 具体的には麹造りは1日目が30度、それで2日目に42度にグッと上げるのがその基本、他社はジグザクにそれを挙げるがこちらでは急激にそれを挙げる、それでたんぱく質が出やすい35度周辺の温度帯をなるべく早く回避し、40度台のデンプンを溶かし甘味を出す時間を多めにしている、結果として他社平均の48~60時間のところを33~42時間で麹を仕上げる。
その”グッと上げる”ために力強い麹菌を使うのです、そして短い時間で仕上げるので”お尻の軽い!味があるけど軽い酒質になります。
一般的な麹の温度経過 土田酒造の温度経過
味があるけど軽い酒
また”総破精”というのもその30~42度にグッと上げることに力を添える、単純に菌が多いと力を増す。その麹菌を麹室で撒く作業はパッパッパッと杜氏さんが軽く撒く付き破精=吟醸造りとは全く違い、手動の機械でとにかく量を撒く、その量は吟醸仕込み蔵のおよそ20倍だとか! (大量に撒く映像は今まで全く見たことないもので本当に驚かされた。)
老ねの要素が少なく常温保管が可能
実は故事を紐解くと、生もと仕込みで純米仕込みしかない時代は総破精で力強い麹菌を使い短い製麹時間で麹を仕上げていた、その昔の造りに習ったわけです。
さらにその短い製麹時間での麹造りには利点があってお酒が老ねにくくなる、実は麹菌が老ねの成分をもっていて長時間で麹を造ると、どんどんその成分が増えて老ねの要素が出てくる、実際短い時間の土田酒造のお酒は常温保管が可能で味が変わらない、むしろ味が開いて美味しくなる要素が増えたりする。
生もとには旨味が残る
腐敗させる野性の菌から守るためにいろいろな菌が入れ替わりながら上手に酸を獲得するのが”生もと・山廃造り”通常の酒母造りのおよそ3倍の40日かかるが、現代の化学的添加物を使う後ろめたい酒造りではなく、江戸時代の技術を後世に伝えれるものをやりたい。
さらにその造りには利点があって・・ペチブドという旨味に感じる成分が多く味わいに残る、ですのでお燗が旨いというのもそういうことです。
肉の旨味そのものに合う
またその旨さは今の酒が合いにくくなった蕎麦汁や、それからチーズやキムチの発酵食品に良くあいます。ウチの酒が何に合いますか?と聞かれたらそれらを答えます。その他イタリア料理・スペイン料理や中華でも使っていただいています。
特に”肉”はワインはそのソースに合わせますが、生もと・山廃は肉の旨味に合うので特にオススメです、このようにワインよりも合う場面も出てきますので和食以外にも積極的に合わせていただくのがお勧めです。
封を開けて一週間常温が飲み頃
その常温保管出来る能力は凄くて当蔵の強い酒は夏場に車に入れて半年燗暑い中も入れっぱなしでしたが年末に開けてみてもほぼ変わらず美味しく飲むことが出来ました。
(封を開けたら?という質問に)この度発売のシン・ツチダはまだ味わいが固いので封を開けて良く振って、それから1週間くらい常温保管したほうが味が開いて実は飲み頃です、是非試してください。
その造りで全国新酒鑑定会入賞を獲得
嬉しいことに今年の新酒鑑評会ではそういう私ともの技術を投入したお酒(群馬県産飯米、生もと、協会7号酵母、精米歩合65%、無添加純米造り)が入賞の栄誉を勝ち取ることが出来ました。
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